母の願い

息子、出て行ったわ。

 そんなに無いと思ってたけど、結構荷物があって驚いちゃった。

なんだかガラーンとしてる、あの子の部屋。

 

息子を引き抜いてくれた社長さん(まだ29歳)と、同僚の子(まだ27歳)が手伝いに来てくれて、一応パパと二人でご挨拶したの。

 息子から色んな話を聞いてたんだけど、ほんと、感じの良さそうな子たちだったわ。

 目よね。やっぱり、人って目を見ればわかるのよ。

夜の仕事をしてたおかげでそれなりに観察力が身に付いたから、男性の人なんか特にわかっちゃうの、私。

 

 ちょっと、一安心ね。

 

全部荷物を積み終えて、息子が車のキーを差し込んで、窓を開けてこう言ったの。

 

「ちょくちょく、帰ってくるから。」

 

私は、なんだか何も言えなくて、黙ったままだった。

何かを言うより、息子の顔を眺めていたくて。

そしたら、息子、なかなか発進しないの(笑)

その時思ったわ。

 

18歳の時に家を出て行った時は、呆気なく「じゃ!」って行ったくせに、今回は私の気持ちをちゃんと汲み取ってくれた。

だから、すぐに車を出さないでいてくれた。

 

あぁ、少しは人の気持ちを察することが出来るようになったんだなぁ。 

 

そんな小さなことに気付いて、なんだか嬉しかった。

 

「今度はしっかりおやりっ!」

 

私は、そう言って笑顔で見送った。

 

「おうっ!」

 

彼は笑顔でそう言って手を上げ、走って行った。

彼の車が見えなくなるまで、私は炎天下の中立っていた。

 

息子の新しい生活が、楽しくて充実したものになりますように。

怪我や事故が無いように、どうか健康で無事に過ごせますように。

 

母の願いは、それだけ。

 

f:id:sugixxhiro:20170702115142j:plain

 

にほんブログ村 病気ブログ 掌蹠膿疱症へ
ランキングに参加してます