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私、迷子になったわ。

 

  今日ののーほーちゃん 

左手の団体様の宴会が、未だに劣らない盛り上がりを見せている。この大盛況な宴会がいつ終わるのかと考え出すとストレスが溜まりまくるので、疲れつつある仲居さんたちと共に調理場からこっそり見届けることに。もちろん、昨日に引き続きアンテベートは必須アイテム。減りが半端ない。

 

 

この年で迷子になるって、どんだけお子ちゃまなのかしらね。

ほんと恥ずかしい。

でも、迷子になるって怖いわよ~。

焦るし寂しいしで・・・もう大変だったわ。

ちょっと、その話聞いてくれるかしら?

とーっても長いから、時間のある方だけにオススメするわね。

 

 

ある日、用事があって急いでいた私は、焦るあまり家の鍵もスマホも、財布も持たずに家を出てしまった。

近くの駅で友人を見送り自宅に戻ろうと歩き出したら、ふいに見たこともない工事現場に目が行った私。

 

「よし。 ちょっと覗いてみよう。」

 

またしても、ここで射手座の好奇心旺盛という特性があだとなる。

 

その工事現場には地下があり、私はそこに立ち寄ってしまったのだ。

もちろん、無断で。

すると、そこには女優の室井滋さんが黒い着物でビシッと決めて立っていた。

 

「アンタ、ここで何してんのよ。」

「私は、ただここが見たくているだけです。」

「ふーん・・・。 こんな場所にいたら、アンタ、人生棒に振るわよ。」

 

そう言って、私をバカにするような笑みを浮かべながら去って行った。

私には、室井さんの言っている言葉の意味がよくわからなかった。

でも、少し不安になり、早く自宅へ向かおうと地上に出ることにした。

 

来た道を戻り、私は綺麗な青空の広がる地上に出た。

すると、そこには見たことも無い光景が広がっていた。

 

「ここ、何処??」

 

しばらく立ち止まり辺りを見回すと、そこにはいつも見慣れた筈の街並みは無く、緑の山とポツンポツンと民家があるだけだった。

 

「え? どういう事?」

 

そう混乱する頭を抱え、少しの不安を抱きつつも自宅を探すことにした私は、何か知っている建物はないかと歩きながら探し始めた。

しばらく歩くと、小さな校庭のある中学校を見つけた。

そこは小さいながらもクラブ活動が盛んなようで、学生たちは皆必死に練習をしていた。

声を掛けると邪魔かなと思いつつも、なんとかして自宅に帰りたいという一心で、ある生徒に声を掛けた。

 

「練習中に邪魔してごめんね。 ここは何処なのかな? おばさん、道に迷っちゃって・・・。」

「ここは〇〇町だよ。」

 

え。

それって、市外の名前やん!

 

私は焦った。

何故ならそこは、とても自宅まで歩いて戻れる距離にある町ではないからだ。

でも、戻るしかない。

ここで夜を過ごす訳にはいかない。

そう不安を掻き消すように、私はまた歩き出した。

その時はまだ日が昇っていて、なんとか方角を判断する事が出来たから良かった。

でも、どれだけ歩いても、山のある風景から抜け出せない。

 

このままじゃ、日が暮れちゃう。。。

 

そんな私の焦りを嘲笑うかのように、太陽は山の向こうに消えて行こうとしていた。

 

どうしよう・・・このままじゃ、方角がわからなくなる。

そう思ったが、時既に遅しだった。

それまでそこにあった赤い太陽は、広い空からもう姿を消していた。

 

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私は、真っ暗になった町の片隅で一人ぼっちで立ちすくんだ。

アスファルトの道の黒さが夜の闇と同化し、焦る私の存在を宙に浮かせた。

それは、とてつもない不安となって、私の心を揺らした。

 

こうなったら、何処かで電話を借りて警察に連絡するしかない。

 

そう決めた私は、また歩いてさっき立ち寄った中学校に向かった。

この年で迷子になり、警察のご厄介になるのはとても恥ずかしいと思ったけど、もうそんな事は言ってられない状況だった。

 

「すみません。 電話をお借りしたいのですが・・・。」

 

なんとか学校に辿り着き、私は事務所らしき部屋を訪ねそう頼んでみた。

 

「いいですけど、どうされました?」

「実は、迷子になってしまって・・・。」

「それは大変でしたね。 電話、どうぞ使って下さい。」

 

その人が、神に見えた瞬間だった。

 

警察に電話をして事情を説明したら、すぐにその中学校に来てくれた。

私は学校の方々にお礼を言い、別れの挨拶をした。

遅くまでクラブの練習をしていた生徒さんたちと、親切にしてくれた事務所の方々。

皆、温かく優しい笑顔で手を振りながら見送ってくれた。

私は胸が詰まる思いで頭を下げ、同じように手を振った。

 

パトカーの後部座席で、私は警察の人たちに挟まれて座っていた。

まるで、捕らえられた犯人のようだった。

でも、その時はそんな事どうでも良かった。

 

これで、やっと家に帰れる。。。

 

そんな安堵感が、私を眠りの世界へと導き、私はそのまま目を閉じていった。

その暗闇には、もう、不安も恐怖も感じなかった。

 

そして、目を開けた私は、見慣れた自宅の天井をボーっと眺めていた。

隣にあったのは、静かな寝息を立てている見慣れたパパの顔。

 

 

 

「パパーーー!」

 

 

 

「びっくりした。。。 どうしたの?」

「ママ、さっき迷子になったの! 家に帰れなくて大変だったの!」

「そう。。。それは大変だったね。」

「うん。 でも、学校の人たちも警察の人たちも、みんないい人だったの!」

「それは良かったね。。。パパ、もう少し寝たいんだけど。。。」

「あとね、ママ、初めてパトカーに乗ったの!」

「そかそか。 良かったね。。。」

 

 

本当に良かった。。。

夢で。

 

パパたちが出勤した後、その夢の事が気になってちょっと調べてみたわ。

そしたらね、迷子になる夢を見るっていうのは、現実でも何かを迷っているっていう事なんだって。

あと、何かしらの矛盾や大きなストレスを抱えていたりするって書いてあったわ。

更に、不安や苛立ちを抱えている、とも書いてあったのよね。 

 

まさしく、昨夜の私やん!

 

夢って深層心理から描かれるっていうけど、ほんとにそうなのね~。

なんだか怖いわ~。

 

皆さん、出掛ける時はスマホを忘れずにね。

迷子になった時、困るわよ。