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彼と私の、生きる道。

二人の出会いは、突然だった。。。

 

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 毎日、家事と仕事に追われていた私。

子育ては一段落していたものの、日々過ぎていく時の中に、安らげる瞬間はあまり無かった。

それでも、自分は幸せなのだと、漠然と感じながら生きていた。

不幸と思ったり、そう感じたりするには、当てはまる状況も感情も無かったから。

 

仕事は好きだった。

間違いなく、自分の存在が求められる、大切な自分の居場所だと感じていた。

年齢を考えると、体力的には多少ハードだったけれど、自分に合っている仕事だと自負していた。

そんな風に感じられる仕事には、一生の中で、そうそう巡り会えやしない。

その事には、誰に対してという訳でもなく、日々感謝をしながら過ごしていた。

だから、いつも笑顔で、結果を残す事に懸命に務めていた。

 

そんな、ある日の事だった。

 

何の前ぶれも無く、彼は現れた。

そう、まるで柔らかい風のように。

 

彼はとても無口で、ニコリともしない人だった。

こんなに不愛想でよく今まで生きてこられたなぁと、思わず感心してしまうほど。

でも、私はそういうタイプの男性が、実は好きだった。

 

賑やかな人より、寡黙な人。

周囲を明るくする人より、背中に影を背負っている感じの人。

私が今まで付き合った男性は、例外なく、皆そういうタイプだった。

 

彼と過ごしている月日は、まだそんなに長くはない。

初めて、お互いが視界に入ったのは、今年の春の出来事。

それは、誰にも気付かれない秘密の時間だった。

 

最初に彼を見つけたのは、私の方だった。

いや。

もしかしたら、彼の方が少し早かったのかもしれない。

どちらにしても、私から言葉をかけた記憶は無い。

 

私たち二人には、言葉も文字も、一切必要無かった。

 

お互いの存在。

 

確かめ合うのは、いつもそれだけ。

ただそれだけで、十分だった。

 

でも、私は、彼に惹かれている訳じゃない。

本当の所、彼を必要だと感じたことも無い。

出来る事なら、早く別れたい・・・。

いつも、そう願っているぐらいだ。

冷たい女と言われようが、それは押し殺せない感情だから仕方ない。

 

彼は、私から大切な仕事と生活の自由を奪った男。

憎まないでいられる筈がない。

私は、そこまで人間が出来ていないのだ。

 

でも、彼は違う。

何を根拠にそこまで執着するのかと真剣に問いたいほど、私から離れようとしない。

こんな私と一緒にいても、報われる事など一つも無いというのに。

 

彼は、思いを言葉にしない。

でも、私にはわかる。

迷いも無く、私の心に伝わってくる。

 

 

「俺は、お前から離れない。

 でも、ずっとじゃない。

 あと何年か過ぎたら、必ず俺から離れて行くと約束する。

 だから、もう少しだけ、一緒にいさせてくれないか。」

 

 

そんな彼の思いが、寄り添う二人の僅かな隙間を、何かを確かめるように静かに流れて行く。

 

それは、二人にしかわからない感情。

そう、誰にもわかりはしない。

わかってもらえなくても、もういい・・・。

 

彼と共に、今を生きて行く。

 

私には、そうするしかないから。

もう、そうする事しか出来ないから。

 

私は、ただ待つだけ。

いつの日か、彼自身が私への執着を消し去り、私の元から去って行く事を。

その日が必ず訪れると信じ、淡い期待を抱きながら、ただ待つだけ。

私は、そうして生きて行く。

 

そんな人生も、悪くない。

世の中、自分の思い通りになる事ばかりではないのだから。

 

生きていれば、嫌な事もある。

嬉しい事も、沢山ある。

 

楽しい事もあれば、悲しい事もある。

涙を流す事も、声を出して笑う事も。

 

生きていれば、色々あって当たり前。

誰にだって、色々あって当たり前。

 

辛いのは、自分だけじゃない。

 

待っていれば、必ず彼は去って行く。

その約束を信じて、真っ直ぐに生きればいい。

 

私の答えは、それしかない。

ずっとは、一緒にいられない二人なのだから。

 

そう、私には主人がいる。

彼も、この事を知っている。

 

 

「どうにか、ならないのか。」

「ごめんなさい、パパ・・・。」

「謝らなくてもいい。

 何か、解決する方法はないかって聞いてるんだ。」

「私の力だけじゃ、もうどうにもならないの。

 でも、これだけは信じて。

 あの人との関係は、私自身が望んだものじゃないの。

 だから、どうか、許して欲しい・・・。」

 

 

主人は、もう何も言わなかった。

いや。

言えなかったんだと思う。

きっと、これも運命だと受け入れてくれた主人に、私は心から感謝した。

その思いを胸に、今の主人との生活を必死に守っていこう。

そう決心した。

 

私は、彼が私を必要としなくなる日まで、彼と共に生きていく。

それが、彼に選ばれた私の生きていく道。

 

彼に選ばれてしまった女の、生きる道なのだから。

 

 ※これは、「掌蹠膿疱症」という奇病により出現する膿疱を、擬人化して描いたストーリーです。

ちょっと、遊んでみました。

ごめんなさい(笑)

 

 

 

 

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